全年齢向けにして成功したギャルゲーを紹介する

普通に面白いCLANNAD

言うことなしの名作

ではここからは全年齢向けにして成功したギャルゲーの中でも筆者が推薦する作品を幾つか紹介していこう。 そして前提からいきなり自分が提示した条件を覆すので申し訳ないですが、ギャルゲーの中には最初から全年齢向け作品で発売されて、圧倒的な支持と人気を勝ち得た作品も世の中にはあります。その1つであり、これは絶対に原作をプレイしておきたいのが『CLANNAD』だ。名前を上げればもう有名すぎて、今の人達からすればそんなの古すぎるくらい有名だろうと罵られてしまうでしょう。ですが今作は制作元にしても初めての試みだったので、その点も触れてみるとやはり感慨深いところがあります。

同作を制作しているのが、やはりこちらもちょいちょい名前を上げているゲームメーカーの『key』がAIR・Kanonに次ぐギャルゲーとして発売した作品だ。PCゲームで発売され、後にコンシューマーゲームとして多くの媒体でリリースされていますが、その全てに共通しているのが『全てが全年齢向けの作品』となっているのです。以前より物語性を重視したkeyが、ギャルゲーというものに対して新たに挑戦するようにして発表したのが今作だ。

この作品でテーマとなっているのが『人と人との絆』で、その内容が示すとおりに作中はプレイしていく度に涙がホロリと溢れる名シーンの連続となっています。こんな秀逸な物語見たことがない、これで全年齢向けとかおかしいだろう、などなど意見が飛び出していましたが、予定調和とばかりに同作はやはり業界に名を残す大ヒットを記録しました。

未だにその名が語られるほど、同作のクオリティは脱帽します。

keyの試みとして

アダルトゲームメーカーとしてギャルゲー市場の黎明期を生きていた老舗ブランドのkeyが放った、全年齢向けのゲーム作品。ギャルゲーなのにそういうシーンは一切無く、最初から最後までプレイしていく中で垣間見る、ヒロインたちが抱える闇と主人公が抱き続ける闇とが描かれていきます。元々物語を制作するという意味では抜きん出た才覚を発揮している同社ですが、これまで発表されてきた内容と比べると今作のCLANNADはまだ明るい方だといえます。

ある批評家からすれば、同作は総合的な意味合いで初期作である『AIR』とキレイに対比する立場の作品だと述べている。その理由として、それぞれが抱えているテーマにも絡んでいた。具体的には、

  • AIR - 家族の再生、ヒロインの悲劇を主人公は傍観するしかない
  • CLANNAD - 人と人との絆、ヒロインたちの悲劇を主人公が積極的に関わることで解決していく

という点になります。

実はAIRにおいて、既に家庭崩壊寸前とも言える状態の影あるヒロイン達が、それぞれの葛藤が故に苦しむ中でも、主人公はそれを助ける事が出来ない溝があり、彼女たちが自分でトラウマを克服するしかないのだ。それは後のKanonにおいてもそうで、主人公が努力しても彼女たちが自らの意思で歩み出さなければ前に進めなくなっている。

対してCLANNADは、影の部分は前二作のまま濃厚にしつつも、それまで何も出来なかった主人公が積極的にヒロインたちの問題に関与していくことで解決へと導くことが出来るようになっている。その結果、強く結ばれるのだが、同時に解決した先でヒロインたちが自分は1人ではないと認識できるきっかけにもなる。各々のトラウマを乗り越えたことによって絆は強くなる、当然のことでしょう。

先の話へ

また今作ではより奥深い場所、それこそメインヒロインと結婚し、さらにその子どもを出産するという展開が待っているのだ。特定のヒロインにしか用意されていないシナリオですが、オタクの欲望を強固にしたような内容にはヒットも頷けると評価している。好きな人との間にできた子ども、二次元だろうとそりゃ愛さないわけないというべきか。

主人公は主人公で

ヒロインも大分深い闇を抱えていますが、主人公は主人公で重い家庭環境と共に、自身への劣等感に苛まれている。元々はスポーツ万能で、スポーツ特待生として入学しながらも、入学したばかりの頃に父親との喧嘩で肩を負傷、期待されていた選手としての進路を断たれてしまったのだ。元々父親との仲が悪かったのもありますが、逆上した親に負傷させられてあったはずの生活を奪われたというのも、かなりの衝撃といえる。

keyの作品は作品で主人公にも軽くトラウマになっている闇が潜んでいるので侮れない。そういう意味でも見どころだったりする。

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